第185章 まさかあなたたち離婚してたなんて、誰も暴けなかったし

「栞、知ってる? 中野航平ってさ、今じゃ名門界隈で『愛妻家No.1』とか持ち上げられてるんだって。笑えるよね」

菊地瑠奈はそう言った途端、自分でツボに入って吹き出した。

「中野航平と“愛妻家”なんて、かすりもしないじゃん。それなのに釣り垢のデマを信じた人が山ほどいてさ、毎日『嫁ぐなら中野航平』とか回してんの。マジで笑う」

長谷川栞は口元だけ、ほんの少し上げた。

「……確かに、笑えるね」

けれど、胸の奥はまったく笑っていなかった。

最近のネットのトレンドは、栞も目にしている。

動画の中で中野航平が勤務中にわざわざ列に並び、彼女のためにスナックやらちょっとした食べ物やらを買い込んで...

ログインして続きを読む